8月  ひまわり
南仏、プロヴァンスを巡ってきました。
夫、コーチャンの送付したHPの写真でご存じの方も多いと思いますが、今回の旅のお土産話を少々。
このあたりを訪れるのは三度目、はじめての海外取材でヨーロッパを訪ねた20数年前の作品に「プロヴァンスの農家」があります。
198218 430×277
プロヴァンスの農家
その時に感じたゆったりとした時の流れ、伝統を大切にしている生活、豊かな自然にすっぽり包まれた旅でした。
町でも村でも朝は鳩やツバメの呼び交わす声、飛び交う姿、そしてここを先途と精一杯!セミの大合唱。
お土産屋にもセミの置物、セミ型石鹸、セミオルゴ−ル、etc、セミグッズがいっぱいです。
セミがこんなに大切にされてたんだ、今まで気がつきませんでした。
日本でもモチロン、セミの大シーズン。
そして7月の猛暑を母への電話や、友人のメールで知りました。
こちらも日中はサンサンと太陽いっぱい、でも乾燥してるので暑苦しさはなく、朝夕の涼しさは避暑気分。
日本の異常猛暑をこちらの人に告げると、去年はヨーロッパ各地で40度Cを越えた、と。
そうでした、異常高温のヨーロッパが大ニュースでした。
そのせいで、そのお陰で?ラヴェンダーの満開時が例年より早まり、ラッキー。
今回一番の取材目的(夫の撮影取材)は、ラヴェンダー畑。
7月の「通世の庭」HPに登場したラヴェンダーの作品は、以前キャンピングカーで巡った時のスケッチをもとにしたものです。
乗用車のレンタカーで、小さな町の宿(旅籠)に泊まりながらのプロヴァンス取材ははじめてで、新鮮でした。

100年、200年たっても、石文化の国の暮らし方は早々変わらないんだという安心感。
馬車がトラクターになり、鎌がコンバインになっても、服装以外は昔の絵や写真とたいして変わらないプロヴァンスの田舎町でした。
旅の最後に泊まったORANGEの宿は築700年、背後には紀元前建造の「古代劇場」、ローマ遺跡としては世界一保存状態がよいとか。
一晩目はオペラが催されており、夜10時過ぎから深夜まで石造りの町並みに見事な歌声が響き渡っていました。
私たちはこの劇場のそばで夕食頂きつつ期せずしてオペラを拝聴してしまいました。

ハイテクのコンピューターグラフィックスでは再現できない石の存在感に音色が重なり2000年を越える歴史文化の厚みを実感。
オペラの幕間にロックがガンガン流れてきて、それはこの町に不釣り合い?な超モダン劇場からでした。
それも又町中に響き渡り、新旧取り混ぜた音楽会を2〜30分で歩けてしまうこんな小さな町で開催してるオドロキとオモシロサ!
「古代劇場」でもロックやジャズのコンサートは催されるそうです。
現代までこうして活きている「古代劇場」に、今夏のギリシャオリンピックを思いました。すっきりと催されますように・・・・。
これを綴っている今日、ヒロシマ原爆の日。

さて、満開のラヴェンダー畑は600m〜1300mのやや高地、石ころだらけの土地に点在しています。
紫のしま模様じゅうたんがコンバインで刈り取られ茶畑状態になってから徐々に下って来ると、ローヌ河の支流に肥沃な平野が広がっています。
今回は都会を避け小さな町や村を訪ねました。
静かな町が人々の活気であふれる朝市に出くわすことも。朝8時前から昼頃まで広場や路地に様々な出店が立ちます。
たとえば、とれたての果物、野菜はモチロン、パン屋、ハム、ソーセージ屋、鶏の丸焼き屋、チーズ屋、香辛料屋、オリーブの漬け物屋、山の中でも鮮魚屋、ピザ屋、アイス屋にジュース屋、ケーキ屋。
服屋は大バーゲン屋に高級品屋、民族衣装屋に生地屋、テーブルセット屋、靴屋、サンダル屋、鞄屋、石鹸屋に香油屋。
え〜〜と、それから、おもちゃに民芸品、ポスター、絵はがき、絵あり楽器あり調度品あり・・・・。
デパート(百貨店!)を平らにしたような朝市が、曜日を替えて近隣の町で開かれているのです。
通りは人でいっぱい!買い物客からひやかし客,乳母車に車椅子、犬連れも大小様々、とにかくお祭りの様な活気です。

客引きの呼び声はないのですが、私たちも釣られて?買い物、帰りの荷物がふくれました。
民宿の壁に朝市の催される町名と曜日が貼ってあり、お祭りの出店とは違う、暮らしと密着した朝市と納得。
お昼過ぎには跡形もなくなり静かな町に戻ってしまうのでした。
そんな中に教会の時を告げる鐘の音が響きます。

町を抜けると古典名画の背景そのままのような風景です。
でも、パーッと明るいヒマワリ畑が目につきます。スペインのヒマワリ畑は7月上旬が満開ですが、南仏ではまだまだ盛んに咲いていました。
スペイン程広大ではありませんが、所々に点在する満開のヒマワリ畑はそこだけ一段と元気に輝いて見えました。


「スペインのヒマワリ畑」

スペインのヒマワリ畑は、南仏のそれとはまったく趣が違います。
なにしろ、東京都くらいの丘々が、ズーーッとヒマワリなんですから!!
オリーブ畑と小麦畑が遠慮がちに点在してます。
満開のヒマワリ畑は圧巻です。


199505  630×480
Sunflowers  1

199506 630×480
Sunflowers  2
ヒマワリが、おひさまと一緒に回るというのはマチガイです。
ヒマワリは、ほんとは、東を向いてるの。
だから西側に立つと、いっせいにこっちを向く。
おおぜい、みんなに注目されてるようで、なんだかテレクサイ・・・・。
でも、東側に立つと、みんな、むこう向き・・・・。
ひとりくらい、こっちむいてよ!

アハハハ、アハハハ
ヒマワリたち笑ってた。


198217  566×430
小さな太陽たち

ひまわり畑


「おはよう! オハヨウ! おはよう!」

いろいろな太陽が、口々にあいさつする。

「コンニチハ! こんにちは! こんにちは!」

ひまわり畑に似合わないあいさつは
「こんばんは」です。

198216 475×375
ひまわりの丘

なおフランス・プロヴァンス取材の写真は
コーチャンのページや

BBS画像掲示板に

載っています