10月 秋色・モミジ狩り

「モミジ」は漢字で「紅葉」、カエデの別称でもあります。
もみじのようなおてて、赤ちゃんの手を「モミジ」にたとえることがあります。
とってもかわいい葉っぱです。
緑葉の風情もなかなかですが、やはり紅葉の詩情に軍配が。
カエデは、紅葉の代表格。読みかけの本のページにはさんだり、手紙に一葉添えたり・・・・。


カエデは英語でメープル/Maple。
メープル街道というのがアメリカ北東部からカナダ南東部にかけて走っています。
このメープルは、サトウカエデのこと。メープルシロップのメープルです。
ある年の秋、メープル街道を巡りました。赤い秋に会いたくて。


199321 130×180
Maple   U.S.A.
199304 545×390
Maple−Wind  カナダ

赤い秋


メープルの紅葉が、山を、丘を、並木を燃やす

落ち葉が地表を染め、
リスたちはせわしなく冬支度、
渡り鳥は南を目指す

閉ざされた冬が過ぎれば
メープルは、あまい甘い樹液をくれる

その前の、ことし最後のお祭り
風に合わせて放つ、落ち葉のページェント



メープルの落ち葉の美しさは捨てがたく、いちまい、また一枚、と吟味して拾っているうちに 私のスケッチブックは落ち葉の押し葉でイッパイに!
子猫の手のひら大から、お面になりそうなでかいのまで、色もカタチもそれぞれ違って、みーんなステキ!!
落ち葉でおおわれた地面は宝の山のようでした。

住宅街の街路樹の間をリスたちが、落ち葉と追いかけっこするように駆け回っていました。
同じくトロントの住宅街、夜更けの街路灯の下にアライグマがひょっこり!

赤い色は元気をくれるといいますが、うれしいことイッパイの旅でした。
前庭で笑ってるでっかいハロウィンカボチャ、素朴なハロウィン人形。

植物も動物もヒトも、めいっぱい秋を満喫してる感じ、甘い香りの中で。

メープル街道にはメープルシロップを売る小さなお店が点在していました。

いっしょに並んでる小物たちもシロップの香りにくるまれて、みんな可愛く見えました。



<メープルシロップの空き缶、すっかり錆びてしまったけれど捨てられません>

久しぶりに「大草原の小さな家」を引っ張り出してみました。どこかにメープルシロップのことが書かれてるはず・・・・。

それは第一作目「大きな森の小さな家」、の中にありました。
春のはじめ、雪が溶け出す頃、樹液は新芽をそだてるために根っこから枝の先まで駆けめぐるのです。
その甘い樹液をほんのちょっと頂くのです。大変な労働と手間をかけて・・・・。

百年前の北アメリカ、大自然と共にある開拓生活のおはなしを、また読み耽ってしまいました。
ゲージツ?の秋から食欲の秋へ、そして思いがけず読書の秋となりました。


199305 345×390
Maple−Bright  カナダ


199306 440×290
Maple−Lake  カナダ


紅葉、黄葉は、早春の新芽の時から落葉の時まで精一杯生きた証。

メープルシロップを自然の恵みとして頂くのはヒトの知恵。

山梨、甲斐駒ヶ岳の麓の雑木林を歩くと皮を剥がれた木が目に付きます。カエデ科の木です。
鹿たちの仕業。表皮はきっと甘いのでしょう。

大事な木が枯れてしまわないように、若木の幹の一部だけが食べられているように思えます。鹿たちの知恵。
今年は熊が多いとか。私たちの小屋の近くにも出没したと、「熊、注意!」の張り紙が。

山の神様、森の神様、「自然の恵み」を熊たちにもヨロシク!!
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