7月  夏の花
季節の移ろい、月日の流れは、なんて、はやいのでしょう!!
もう夏!・・・・ということは、1年の半分以上が過ぎてしまった!ということ・・・。
ついこの間まで新芽の用意をしていたはずの胡桃の木が、あれよ、あれよ、という間にしげった葉で空をおおい、
知らぬ間に花が咲き、今はもう気の早い実が地面に落ちています。
「待って、待ってよ、秋はまだよ」夏だってほんの入り口のはずなのに、なんという暑さでしょう、
吹き出すように咲いていた春の花々は色褪せて種になりました。
出遅れて今頃咲いてる春の花は、「場違いかな?」って顔してるように見えます。
「夏の花」で思い出深いのは、スペインのアザミです。
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アンダルシアの農家
白壁が真昼の太陽はね返し、今、シエスタの時間。

その中で眠らないヤツがいる。

トゲトゲの甲冑つけたアザミ。

暑さに首うなだれることなく、太陽に諸手をあげて立ち向かう。

太陽の光の矢をのみ込んでいるようなヤツ。

ほれぼれとする強さ。

なんという優しさ。

スペインのアザミは、日本の山野にひっそりと咲く私の好きな「あざみ」とは、ずいぶん違っていました。
でも、その魅力には勝てません。どんなに暑くても、思わず立ち止まってしまいます。
ある夏、ヒマワリ畑で出っくわしたアザミがありました。
それはもう、後にも先にもはじめて出会った青いアザミでした。
そこは、アンダルシアの広いひろーいヒマワリ畑。東京都くらいの広さの中、細い農道が迷路のように幾筋も走っています。
でも、車なんてめったに通らないのです。
これさいわいと、仕事熱心な日本の風景カメラマンの車、ヒマワリ畑の中を走り回っていました。
一面のヒマワリ・・・の中、目の端に飛び込んできた青い花!なんて魅力的なアザミ!!
「止めて、とめて!!」車止めてもらって夢中でスケッチしていると、向こうの丘からスゴイ土煙、近づいてきたのは大きなトラクターでした。
ナンテ間が悪いんでしょー・・・。
でも、避けないわけにはいきません。夫の車は脇道へ、私は身を仰け反らせてトラクターをやり過ごしました。
が、そのあとの土煙のスゴサ!しばらくは、ほとんど何も見えません。
そして、おまけが付きました。
お尻がチクチクします。アザミのトゲにやられたのでした・・・。
アザミの魅力と共に、忘れられない夏の思い出となりました。

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Thistle
あざみ
トルコ石を花に仕立てたようなアザミ、

赤い大地におおきく咲いていた。

この宝石には何人も触れられぬ。

そのトゲは、アンダルシアの真夏の太陽の光より鋭い。

金色のトゲに守られて、トルコブルーの花は

スペインの空の青さをやわらげる。

「夏の花」の思い出に、またスペインが続きます。
スペインの印象と「夏」は似合っています。
そして、夏といえば「海」、スペインの海といえば「コスタデルソル・太陽海岸」。
東側の海岸線には、ダリの家があったり、高級リゾート町が点在してたり、見所満載。
おシゴトキャンピングカーで走っていてもリゾート気分満喫です。
そんなゆったり気分の中で見つけたのが、青い朝顔たちでした。
塀の上に、道路の脇に、そこらの空き地に、点々と咲いていました。
さわやかな海風に、丸く、まるく、揺れていました。
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Morning glory
あさがお
「おはよう!」

青い丸いあいさつで、地中海の一日が始まる。

海色に染まった野生の朝顔たち。

地中海に面したスペインの隣国はフランス。
南仏プロヴァンスの山あいにラヴェンダー香る村々が古くから点在しています。
夏の間だけ、素朴な村々は青紫の芳醇な香りの絨毯に囲まれ、華やぐのです。
ドライフラワーは吊しておくだけで心和み、ポプリの色々もお手軽に香りを楽しめます。
ラヴェンダーは香りのエキスを抽出され、高級な香水や石鹸に姿を変えます。

香水には縁のない私ですが、ラヴェンダー畑のそばにたたずむと、なんともしあわせな気分になれます。
花畑を手入れし、育てている農婦の無骨な手、がっしりした体型と作業着に、香水は不似合いです。
たぶん、香水や高級石鹸とは無縁な暮らしを代々営んでいるのでしょう。
ここまで見事に一斉に花咲かせるのは、大変な仕事だと思われます。
報酬はもとより、その香りにも癒され元気づけられて、代々この仕事に励んできたのだと、
私流に勝手に解釈してラヴェンダー畑を満喫させて頂きました。
ラヴェンダー畑は、恋人さがしの広場。

香りの広場は、蝶々のデートコース。

ミツバチの羽の合奏が、恋心を高めます。
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Lavender
ラヴェンダー畑
今月は、久しぶりにこのラヴェンダーの村々を訪れてみる予定です。