ギリシャのサントリーニ島では、毎日のように夕陽の美しい岬を訪ねました。
夫が三脚を据え、カメラを構え、夕陽と四つに取り組んでいる側で、私は助手をしつつ、
刻々と変化する入り日の様子に、ただもう、うっとり、、、ぜいたくな時を過ごしていました。
夕陽をめでた後の日暮れた帰り道は、なんとなくサビシイ気分です。
はじめてこの花を見つけた時は、ドキリとしました。
夕闇の中に妖艶でした。
もっとよく見たくて、次の朝行ってみると、全部しぼんでいました。
一夜限りの花でした、月見草のように・・・・。
ますます魅せられて、毎夕、この花の咲く土手へ通いました。
ある日、島の八百屋の店先で、この花のつぼみを発見!
他の野菜と一緒に並んでいたのです。
よく見ると、それはスモークサーモンなどに添えられるケイパーでした。
あの酢漬けは、「実」ではなく「つぼみ」だったのです。
ケイパー = セイヨウフウチョウボク≪地中海沿岸産の灌木≫
ケイパー = フウチョウソウ科の低木の蕾を酢漬けにしたもの
なんと優雅な自然の恵み!
後年訪れたスペインのメノルカ島では、土手一面にこのケイパーの花が咲きほこっていて、
夕食後の散歩の途中、うれしそうに蕾を摘んでいる人たちを見かけました。 |