白点線とは「かろうじて道」らしきがあるという表示。
彼らはこのルートで「Timiaouime」というアルジェリアのボーダーへ。
そこから、白点線の道で「Tamanrasset」へ行くという。
目的地は同じだ、道もいいらしい。
途中から「Tessalit」へ行く道?があるので一緒に行ってくれるとか。
しかし、1日に2回も確信を持って迷子になった我々が「線」さえない道を独力で「Tessalit」に行けるだろうか?
否!!
天の思し召しと、トヨタ組にくっついて「Tamanrasset(タマンラセット)」入りすることに決定。 |
やっぱ、木陰がいいね |
スズナリトヨタのピックアップトラックは後ろから数えられる限りでは20人くらいのヒトが山積み。
昼休みに確かめると27人乗ってるんだと!
パイプ枠にしがみついているのが10人ほど、運転台の屋根に3人、運転席と助手席3人を除いて中には人々がうじゃ〜と座り込んでいる。
夜中の2時から揺られて走りっぱなしで「ファテイゲ(疲れた)」だと。
その割には皆元気そうだ。 |
|
|
アブドウライという青年が英語ペラペラ、仏語、独語、スペイン語、各部族語もペラペラというインテリで、大助かり。
モハツというのが運転手でインサラのオヤビンの従兄弟のような青年。
昼休みは長く、大鍋で魚、玉葱、ブイヨン、トマトピューレのシチューにお米を入れたマリ風炊き込みご飯をゆっくりと作っている。
少しお相伴したが、とてもおいしかった。
こちらは大スイカを細かく切ってみんなに振る舞う。 |
後ろの白い枝は途中で拾った枯れ木、
貴重な燃料 |
大鍋で作ったマリ風炊き込みご飯は、洗面器のような容器に移され「いただきまーす!」
手で頂くのが正式な食べ方 |
|
5時には国境へ到着とか。
地獄に仏、迷子にマリ人。
ほっとしながら、猛烈な砂埃をまともに受けつつどんどん走る。
・・・と、アンパン車あり、タイヤのアンパン。彼らはそれも助け、直ったのを確かめて再発進。
尚も行くと、またもやアンパン車。
10人以上の男が助けを待っていた。
そのうちの6人をブル君に同乗させて走る。すごい重さ。
マリ人、モハツの運転技術は的確だ。
飛ばせるところはすっ飛ばし、尖ったものは小石ひとつでも避け、分岐やソフトサンドでは必ず止まって待っていてくれる。
砂漠のニンゲンの篤き仁義。
色々あったので5時を過ぎた。ブッシュの中泊まり。翌朝6時出発、7時着だと。
国境までわずか2kmとはどういう意味?
いつものように車内掃除。
名ドライバー、モハツが見学に来た。
水道と水道の止まった後に出るプルルルンという音にいたく感激、水道をひねるたびに手を叩いて喜んでいた。
「マダムのオナラ」のようだと!?
諸々の設備、ガス、トイレ、戸棚、冷蔵庫、電気ストーブetcを熱心に見学、感心していた。
が、いざフトンを敷く段になってオドロキ、アキレカエリ、半分小バカにした顔を大げさに示した。
「部屋」の中でフトンを4枚も敷き、その上寝袋、羽根枕。
彼らは毛布一枚で砂の上に寝るのである。いや、はや、か弱き文明?人よ、、、、。
やがて満天の星空。
モハツたちモスリムはあの小さな羽子板七つ星スバルに向かって祈りを捧げるのだという。
メッカはここから丁度真東に当たるのだ。
祈りのコトバは難しかったがその大意は「大きな素晴らしい一日をありがとう」(メルシー グラン ボン ジュール)
そして胸がすっきりするのだという。
砂漠の民にイスラム教は欠かせない、一心同体の宗教だ。
夜更けに目覚めると焚き火が三つ燃え続け、寝ずの番で火を守っている人影が見えた。凍るような夜。
|