2005年 2月 
ヤシの木 パンの木 めぐみの木

本格的な冬将軍のお出ましで、中越の震災地は雪に埋もれ物心身ひっくるめての痛手はいかようかと思われます。
そしてスマトラ沖地震・インド洋巨大津波のその後・・・・。
地球という星の誕生歴からみると、クシャミをひとつしたくらいかもしれませんが、そのエネルギーの凄まじさに総毛立ちました。

1月のページ、じつは昨年師走の中頃、大津波以前に作成して、今年早々にそのまま送信してしまったのでした。
『とにかく「無事」で、とか「平穏、平安を願って」とか』誠に身勝手、赤面の至りの文面・・・・被災者の側に立つとコトバもありません・・・。
ま、私のつぶやきひとつで、どうのこうのなるわけではありませんが・・・・。

幾多のニュースの中で、「ヤシの実」に救われた話に「やっぱし!!」と気持ちが少し救われました。
海上を漂いながら流れてくるヤシの実で渇きと飢えをしのいだ人がいたのです。
海辺で暮らす人の知恵が活かされ、救助されたのです。

旅のお土産話・ヨットひなの受難航海記の「Vol・4」にヤシの木の話を載せてあります。

ヤシの木って、ほんとにエライ木です。
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Good morning
ミクロネシア

ヤシの木

頭のてっぺんからつま先まで、
あなたのお役に立ちましょう

葉は
屋根に、お皿に、帽子に、
ウチワに、ゴザに、カゴに、
編んで下さい

実は
ジュースで、ミルクで、コプラで、どうぞ

殻は
食器に、タワシに、燃料に、使って下さい


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Good afternoon
ミクロネシア
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MORA‐Dream
カリブ海
幹は
お手軽な木材です


新芽も
おいしいの、ご存じ?
サラダ感覚で召し上がれ 


太陽と潮風が友達です
ヤシの木は、ぐんぐん、ぐんぐん、
いつでも育ち盛り




ヤシの木陰の昼寝は最高!

でも「ヤシの実落下、頭上注意!!」
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Coconut Palm
カリブ海

南の海辺でゆれるココナッツヤシの葉影はリゾートの象徴でもあります。
リゾートビーチではリラックスムードを盛り上げるお役目でしょうか。
アメリカ西海岸・サンタモニカではシュロの木があっけらかんと連なっています。
遊び気分満点で、楽しい海岸でした。
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Palm‐West coast
アメリカ
シュロの木


風と、波と、日射しがはじける

palm‐treeが愉快に揺れる足元で、

陽気な歓声

同じヤシ科でも砂漠のオアシスを潤すナツメヤシの生い立ちにはキビシーものがあります。
話が海辺から砂漠に飛びますが、サハラ砂漠は、そのあまりの広さに「砂の海」とも呼ばれています。
砂の海に浮かぶ小島が「オアシス」。
熱砂の砂漠で人が住めるのはオアシスだけです。
オアシスにはナツメヤシの群生が濃い影を落とし、影の下には菜園さえ作られ、樹上では鳥たちがさえずり、くつろぎと安らぎを与えてくれます。
オアシスのナツメヤシは勝手に殖え育つのではないのです。
まず、スリバチ状の大きな深い穴を掘り、(掘っても掘っても砂だから、スリバチ状でなければ埋まってしまう・・・)
一番底に小さな苗を植え、スリバチのヘリにはナツメヤシの大きな枯れ葉で防砂用の垣根をめぐらします。
小さな苗は穴の底で、砂嵐と、熱射と、渇きに抵抗しながら成長を待つのです。
大きなスリバチの底で枯れ果てた苗を何本も目撃し、ナツメヤシの成長が容易でないことを知りました。
こうやって育てられ繁ったナツメヤシが群落をなし、オアシスとなるのです。
オアシスの一員となったナツメヤシは、木陰の潤いと共に滋養たっぷりの甘いあま〜いナツメの実を、どっさり提供してくれます。

砂の海に浮かぶ小島、オアシスは、砂漠の民の汗の結晶です。
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Date Palm 1
チュニジア


ナツメヤシ


辿り着いた旅人が水を求めるオアシス

ひとつっきりの深い井戸には、水汲みの長い行列

あとから来た見知らぬ旅人に、黙って先頭を譲る

砂漠の仁義、暗黙の了解

孤島の人恋しさ


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 Date Palm 2
チュニジア


砂の海のキビシサ知っているから

旅人を助ける砂漠の民

砂の海につちかわれたひろい心

そんな民の作り上げたオアシス



オアシスはナツメヤシに囲まれて静か

砂の海、サハラ紀行のお土産話は後日に譲って、ハナシを海辺に戻しましょう。
ココナッツヤシのヤシの木が南の島の王様なら、パンの木は女王様。
パンの木は「バオバブ」と同じくらい見てみたい木でした。

初めての出会いは、初回のタヒチ。島をぶらついていると、美しい大木あり!!
エーゴの通じそうな若者に尋ねると「breadfruit tree」の答。
オオ!まさしく「パンの木」それが憧れのパンの木だったのです。

カリブ海やミクロネシアでごちそうになりました。主食です、モチロン。
旅のお土産話・ひなの受難航海記「Vol‐4」に調理法など載せました。
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パンの実
タヒチ
パンの実


パンの木に、パンの実、たわわ

その下で、憩う人たち

おおらかさ、食にあり
追記

近しい、親しい若者が妻子を残し急逝しました。

海が大好きだった彼の明るい笑顔、、、、、。
彼を知る者は皆、なぜ?ナゼ?何故?ドーシテ?という思いで一杯です。

冒頭に記した『とにかく無事で、平穏、平安を願って』の祈りが足元から崩れました。
この単純明快、平凡な『日々の祈り』こそが大事と、あらためて思い知らされたのでした。
冷たい西風の中、彼が愛した南の島に思いをはせつつ・・・・。

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