NO2 いざ、タマンラセットへ! 1981年1月16日〜1月下旬 |
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翌日も、ゆっくりと砂丘の中を歩く。歩くほどにサハラが広がる。 紺碧の空、風紋と風、風に流れる砂。 切り立った稜線の先から空に舞う砂、風紋は刻々と模様を変えいつまでも見飽きない。 思う存分はだしで歩き回る。はらうと、一粒の砂も足に付かない、サラサラだ。
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底抜けに明るい空、あまりに美しすぎる砂の風紋。神。アッラー。 神がいると確かに信じられる、ひざまずきたくなる、涙が出るような美しさ。 サハラを撮る |
はじめての街、EL OUEDに入る。
やっとあった一軒へ。しかし、とても高かった(当時の私たちには) 豆肉スープとスパゲテイで2220円。 二重丸印の街でこんなだから、これから先立ち寄るオアシスには何もないかも、、、と買い出しに努めた。 チュニジアより全て高い。が、あるだけラッキーと後でわかった。 ちなみに牛肉1kg 3500円(チュニジアでは900円) コーヒー、タバコ、トマトピューレ缶、玉ねぎ、人参,カボチャにオレンジすべて高い。 フランスパン3本36円とこれだけはバカ安。
人々についていえば、男たちの衣のまとい方がカッコイイ。 布きれ一枚の巻き方、ターバン、マント、ブカブカコート、すべてサマになっている。 お土産屋も子供たちもおおらか。チュニジアでの射るような視線は感じない。 砂の海の風土のせいか。
今から思えば「若さ」かな?夕方のチョット寝がそのまま夜、そして朝に。 果報は寝て待てということか、14時間熟睡後、風は幾分弱まっていた。 街に戻り、パン、ガソリン補給後走行開始。所々砂に埋まっている道路。 またもや強風、そして砂塵が道路を流れ、地吹雪のよう。ヘッドライトをテープでおおい、砂害に備えた。
あった!白い雲さん。それっとカメラ向けてるうちに消えてしまった、、、、。
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日没後の残光とグラデーション、そして深い濃紺の空。 星のまたたきが始まり、やがて星空が丸い天井となって大地と砂丘と私たちを包む。 日の出前に目覚め、暁の砂丘を眺めようとカーテンを開けると、窓は氷ガラス。車中も凍っている! 昨夜寒さで目覚め「モモシキ」はいたのは正解だった。 ラジオ体操、朝食の後ペーパードライバー通世の運転講習。 通行人も障害物もない、うってつけの講習場所だったが、運転の腕は上がらず仕舞い、、、。 今日もまた、どんどん走る。 昨日のような砂丘はなく真っ平ら、途中デスバレー級の地形を見る。 そして地平線には湖が浮かんでいる。蜃気楼だ。行く手に湖がある不思議錯覚。 自転車の旅人を追い越した、脱帽。 |
IN SALAH(インサラ)のオアシス着。 ガソリンを入れた後、サンタの調子狂う。運転講習なんかやったから?かな?? この旅は今後どうなるのであろうか? OH!アラーよ、我らを守りたまえ! 翌日、エンジンを見てみる。やはりプラグに電流がきてない、ポイントの接触不良か? 見物に来た子供ずれのオジサンの車でコーチャン、オアシスで唯一の修理工場へ。 グッド・メカニシャンらしき人と戻ってきた。 デストリビューターをばらし、ポイントを磨きなんとかエンジンをかけて我らがサンタ・カルロッツアを工場へ運ぶ。 プラグ2本(NO3,4)交換、ファンベルトが音を出すのが多少気になる。 今度大きな街に行ったらポイントとプラグ(NO3,4)を交換しよう。・・・・と、いうことらしい。 私は機械音痴なのですべてコーチャンにオマカセ。 お次は食料買い出し。 肉屋はすでに閉店、、、、焼きたてパン4本のみ入手。 以前会った日本人旅行者、男ふたりに再会、タマンラセットへもう行って来た帰りだとか。 ホテルは一軒しかなく高いだけでよくないらしい。 タマンラセット行きのバスは四駆のトラックを改造したものである。さすが! よーし、明日は早朝出発だ! ・・・・やれ、やれ、エンジンがかからない。 またもや修理屋さんのお世話になる。 彼のことを親分ではなく、「親ビン」と呼ぶことにした。若いけどしっかりした大男。 キャブレターとポイントの不良。 キャブレター分解して組み立ててみるとどうしても小さな部品が2個ほど残る?? サンタくんはツインキャブというタイプのフォルクスワーゲンなので、もう一つの壊れてないお手本も分解し、それをお手本に組み立てる。 丸々一日がかりで分解修理完了、ポイント交換。
昼過ぎから夕方までかかって、これが夕餉の主食になるのだろう。 鶏が庭を駆け回り、おさな子が母親にまとわりつき、 白髪の長い三つ編みが素敵な品のいいおばあさまも笑顔で豆の殻むきなどやっている。 ゆっくりとした日常の時が流れている。旅する者に欠けている時間がそこにはあった。 車の方はタイミング不良気味だけどなんとかいけそう。 さて、おいくら?「日本円持ってるか?」と、親ビン。22000円を550DA(デイナール)と交換。 1DA=約60円のようだけど、いいのかな〜。 その夜は、親ビン宅でクスクスをごちそうになり、そのまま泊めていただくことになった。 彼の美しい奥さんが半日かけて作ったクスクスかしら? 初めてお邪魔するこちらの家。 家具はいっさいなく、丸いテーブルがひとつとテレビ一台。テレビがあるのは裕福な証拠? 床にはカラフルな敷物、その上にマットを敷いてのザコ寝は日本のフトン感覚。 支払いは明日ということで、ジャン・ギャバンのテレビ映画半分見ながらオヤスミナサイ、、、、。
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1月29日・アルジェリア入国2週間目 ついに到着!最終サハラ目的地・タマンラセット。
次の日も不動の態勢でかわいい我が家の生活を楽しむ。 空は底抜けに青く、太陽はギンギンのギラギラ。でも車の中や日影は冷蔵庫の中?みたいに涼しい。 手紙を書いたり、日光浴をしたり、のんびりと過ごした一日。 だーれもいない、だーれも来ない真昼。 シャボンをつけて身体と頭の洗濯、約10日ぶり。蒸し風呂ビニールテントの中で、ああ、最高!
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